時期に惑わされた2016年卒採用、本当の課題はどこ?

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2016年採用の失敗の原因はどこだったのか。どのターゲットに対し、どの段階で課題があったのか。2016年卒採用の課題特定をいま明確にすることで、2017年卒の採用をもっと有利に。

“採用スケジュール後ろ倒し問題”がとにかく話題に上った2016年卒採用。スケジュールの関係もあり、「内定式を過ぎても採用予定人数に届いていない」という企業が多かった年になりました。「学生の動きを読むのが難しかった」という声もよく聞かれました。スケジュールの変更の影響が大きかったため、2016年卒の補てん採用を行いながら、2017年卒採用もスタートしているところも多くあります。

今回は、“2016年卒採用 失敗の原因はどこにあるのか”、“どのターゲットの採用に課題があるのか”、“選考フェーズのどの段階に課題があるのか”という点を明らかにすべく、『課題箇所の特定』について一緒に考えていければと思います。なお次回以降で、2016年卒採用がうまくいかなかった企業の実例から、失敗原因を徹底解明していきます。

 

すぐに解決策にいかない。まずはターゲット別の課題を特定

企業により、ターゲットとしている学生の設定は様々です。タイプ別に設定している場合もあれば、職種ごとに設定している場合もあります。

ここでは、
・情報系学部生
・機電系学部生
・その他の学部生
とターゲット設定をしていたとします。

まず考えるべきは“どのターゲット学生の採用に課題があるのか”の特定です。今回は、情報系学部生の採用と、機電系学部生の採用とに課題があったとします。

続いて、それぞれのターゲットごとの採用プロセスの、どこに課題があるかを考えていきます。一般的に、採用プロセスは「出会う・接点を持つ」「志望度を高める・進捗させる」「内定承諾を得る」の3つに分解できます。この3つのうちのどこに課題があるかを下図のようにチェックを付けていきます。

 

ターゲット学生と課題

▼情報系学部生の場合

課題箇所は「出会う・接点を持つ」ところ。充分な人数に会えていない、または求めるような人材に会えていない。会えさえすれば学生の志望度を高めることも、内定承諾を得ることもできるのに・・・というように、魅力を持った企業は非常に多いように思います。こういった「出会う・接点を持つ」ところに課題がある場合、次の2つのケースが考えられます。

1つ目は、そもそも学生に知られていないというケース。この場合、採用ブランド勝負となりやすい就職ナビなどの活用ではなく、学生に直接コンタクトができるダイレクトリクルーティングやイベントの活用などへの手法の転換が解決策の方向性として考えられます。

2つ目は、企業名は知ってはいるが、そこでの仕事内容と自分のやりたいことや専門性が結びついておらず、選択肢から外しているケースです。この場合も1つ目と同じくまずは学生に直接コンタクトすることが重要となりますが、加えてコンタクトをとる時期と出会い方も改善が必要と考えられます。例えば、学生が志望業界や志望企業を決めた後にコンタクトしても、到底選択肢に入ることはかないませんし、動機形成もできません。まだ余裕のある早い時期に学生と接点を持ち、仕事内容と学生が所有している経験、専門性が結びつくということを理解してもらい、動機形成することがポイントです。

 

▼機電系学部生

課題箇所は「志望度を高める・進捗させる」と「内定承諾を得る」の2箇所。ターゲットの学生には充分会えているが、採用には至らないという16卒で最も多かったケースではないでしょうか。この場合も2つのケースが想定されます。

1つ目は、そもそものターゲットの設定が誤っているケースです。16卒採用では、この罠に陥った企業が散見されました。超大手企業が後ろ倒しのスケジュールにならって活動したことにより、早い時期にそういった企業を第一志望とする優秀層の学生に比較的コンタクトしやすい状況がありました。そこで例年よりもワンランク上の学生を知ってしまったがゆえに、本来採用すべき学生を選考から落とし、超大手を第一志望とする学生ばかりに内定を出してしまったという構図です。

世間一般的な優秀な人材ではなく、自社にマッチした活躍してくれる人材にしっかりターゲティングすることが改善のポイントと考えられます。

2つ目は、選考の進め方や学生とのコミュニケーションの取り方に課題があり、充分に動機形成できる前に選考にのせてしまったというものです。前述した情報系学部生のケースと同様で、相互理解を深め、自身の専門性やこれまでの経験が活かせる環境・仕事があるということを認識させ、動機形成をしっかり行った上で選考にのせていくことが重要と考えます。

 

ターゲット人材の設定

ターゲット学生

 

さて、最後に「ターゲティング」の仕方についてご案内いたします。

自社ならではのターゲット設定がそれぞれの企業で定められていますが、どのような人材かをできる限り具体化し、それを採用担当者だけでなく、面接官や面談を行う若手社員と擦り合わせをしておくことが、組織全体の採用力につながると考えます。ターゲット学生を具体化する際は、ターゲットごとにペルソナ(※)を描くことをおすすめします(※ペルソナとは:仮想のターゲット像を設定して、大学、学部、サークル、部活動、普段の生活スタイル、志向などを設定し、その人物に対してアプローチすることを考えるマーケティング手法)。

例えば、「革命タイプに会えていない」という点が課題だとしたら、“おそらく保守タイプの学生よりも動き出しが早い”という想定を立てることができ、企業側としても動く時期を変えることが有効だろう、という方策が立てられます。「海外事業向け人材に会えていない」のであれば、留学中だったり卒業のタイミングが国内と違うことが考えられるため、そもそも通常の就職活動をしていない可能性があります。アプローチの仕方、出会い方そのものを変える必要があります。

ここでのポイントはできる限り具体的に、普段どのような行動をとっているかの想像が描けるくらいのレベルで考えることです。ターゲット学生のペルソナの抽象度が高いと、面接官が主観的に判断してしまい、本来選考を進めるべき学生を落とし、超大手を第一志望とする、いわゆる優秀層を残してしまうことになりかねません。

課題の掘り起こし作業やターゲットのペルソナ作りは大変ですが、採用活動全体の生産性を高める上では是非とも実践していただきたい内容です。来期の採用を行う道標として有効となりますのでご参考にしていただけますと幸いです。

 

次回は、このターゲット設定の部分を掘り下げ、「ターゲット設定、本当に合っている?」というテーマでお届けいたします。

 

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