藤野貴教氏 連載【採用のオモローな未来を創造する!】

第3回「学歴フィルターなんて昔からあったのに、なぜ2016卒で大炎上したのか」

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≪連載第3回!≫株式会社働きごこち研究所代表の藤野貴教氏による【採用のオモローな未来を創造する】連載。“採用の未来を想像する旅”をご案内します。

≪働きごこち研究所代表 ワークスタイルクリエイター 藤野貴教氏連載≫

学歴フィルター問題とは何か

採用スケジュールばかりに目がいきましたが、学歴フィルターもまた2016卒採用活動で大炎上した問題でした。学歴フィルターとは、ワンセンテンスで言えば「エントリー者が多すぎるので、効率化のため、大学ランクの高い学生を優先的に案内する」ということです。

たとえば、説明会予約画面において、その優先案内はどのようになされるか。上位校と呼ばれる大学ランクの高い学生にのみ「空席」と表示され、それ以外の学生には「満席」と表示されたり、そもそも日程が表示されなかったりします。

これを「ひいきだ!」「ずるい!」と、ある学生がツイッターで告発したことが、ネットニュースに取り上げられ、炎上しました。

http://netgeek.biz/archives/38516

このニュースを見た人事の方はこう思うのではないでしょうか?

・どこもやっていることなのに・・・
・こうやって明るみに出ると怖いなあ
・かといって、大学ランクの高い子を優先したいんだよ
・まったくこうやってなんでも書き込んで、ほんとやりづらい時代になったなあ

そうなんです。これは別に今年から始まったことじゃなくて、昔からあったことなのです。

 

そもそも、学歴フィルターは、やってはいけないことなのか?

2811931dde72fb50554425044d25a2ea_s人事の方はこうも言います。

・大学ランクだけがすべてではない

・だから面接と言う場も用意するし、適性検査も行う

・しかし、これまでの経験上、大学ランクの高い学生には、採用につながる優秀な学生が多かったのも事実だ

・限られた採用工数の中、効率的に行うには、学歴でフィルタリングするのは有効な施策だ

これらが人事の方が主張するロジックです。ロジックも通っているように聞こえます。

では、そもそも学歴フィルターはやってはいけないことなのでしょうか?
みなさんの意見はどうですか?

 

私の意見は、次の通りです。

・フィルタリング自体は問題ではない
・しかし、世の中は情報がオープンになっている(隠せることなどない)ことを前提に行うべき
・オープン化が進む世の中で、「隠そうとする」「クローズドにしようとする」ことが問題になることを認識すべき

この連載で繰り返し言っているように、ソーシャル+ITでどんどん個人の情報力は進み、世の中はオープンになっているのです。しかし、そのことを「体感としてわかっていない」という企業が多すぎるのです。

 

これと同じ構造が引き起こしたのが、オリンピックのロゴ問題です。模倣の真偽より、密室で行われていることに、多くの人が怒りを覚えたのです。自分にとって都合がいいことも、悪いことも、結局は知られてしまう。そのことを採用をする側は知っておく必要があります。

 

なぜ、2016卒に大炎上したのか?

さて最後に、なぜ昔からあった学歴フィルター問題が2016卒で大炎上したのか、について触れておきましょう。

大きな潮流としては、ソーシャル+ITで世の中がオープンになっていることがありますが、炎上の直接的な原因は、バイラルメディアの普及であると私は考えます。バイラルメディアとは、Facebookやツイッターなどのソーシャルメディア上で、シェアされることでアクセス数を増やし広告収入を上げようとするサイトのことです。世の中で注目され始めているツイートやブログ記事のスクリーンショットを張り付け、簡単に記事化したもので、クオリティよりスピードを優先する傾向から、「パクリサイト」と非難する人もいます。

非難もありますが、これにより私たちは「面白い情報」「感動する話」に、スピーディーにたどりつけることになりました。

さきほどリンクを張ったNetgeekもバイラルメディアのひとつです。バイラルメディアについては以下の記事が参考になるでしょう。

http://www.similar-web.jp/blog/archives/741

このバイラルメディアが国内に広まり始めたのが2014年の終わりころからで、2015年はまさに普及期であり、採用スケジュールと見事に重なったわけです。

これまでも学歴フィルターについては、2ちゃんねるやみんなの就職日記など、学生や一部の社会人しか見ないサイトで話題になっていました。ツイッターなどのソーシャルメディアが普及した後も、ツイートした人のフォロワー(その人の記事を見たいと登録した人)のみしか閲覧されなかったので、情報伝播力はそれほど大きくなかったのです。しかし、バイラルメディアは、そういう「一部の人しか見ない情報」をまとめあげ、一気に伝播させていくことをねらいとしています。学歴フィルター問題は、格好のネタになってしまったのです。

 

バズれば、最高のPRになる!

炎上というと、悪いことばかりに聞こえますが、その情報伝播が企業にとってありがたいPRになることを「バズる」と呼びます。たとえば、以下の記事は、「面白い採用手法をやってみたら、ネット上で取り上げられた」というPR効果を生みました。

IMG_5824 (2)【ちょっと変わった】面白い選考方法取り入れている会社【就活】

http://matome.naver.jp/odai/2132949328677520401

GOOGLEで「面白い採用」というキーワードで検索をすると、一番上に出てくる記事です。
まさにこれは、広告費以上の価値ある採用PRといえるでしょう。

 

最近は私の知り合いのホームページ会社が、「面白い映像」をアップしたことでバズりました。

【やじうまWatch】名古屋発、HP担当者の悲哀を描いたカラオケ動画風のムービーがシュールすぎると評判

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151120-00000012-impress-sci

ホームページ会社の社長(私の友人)がYoutube映像をFacebookにアップしたのが、11月18日の18時52分。その後、そのFacebook投稿を見た私が投稿をシェアしたのが19時15分。

そして、その夜私のFacebook友人でマーケティングの先生をしている方が、「これおもしろい!」とシェアしたのが19日の深夜0:02分。この人はネット上で影響力のある方(インフルエンサー 伝播させる人と呼びます)で、メディアの記者などがシェアをしていきました。(私自身の投稿も、20件ほどシェアされました)

そして、ヤフーニュースになったのが、11月20日のAM6時5分。はじめの投稿からわずか1日半です。これがネットの「情報伝播力」の威力なのです。

あなたは今回の私の記事をお読みになって、「炎上は怖い」と思いましたか?それとも「うちもバズらせたい」と思いましたか?

 

ソーシャルな時代における採用マーケティングは2017卒さらに進むでしょう。採用スケジュールだけじゃなく、こういうテーマについても検討されることを推奨します。

 

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株式会社働きごこち研究所
代表取締役 ワークスタイルクリエイター  
藤野貴教氏

アクセンチュア、人事コンサルティング会社を経て、東証マザーズ上場のIT企業において、人事採用・組織活性・新規事業開発・営業MGRを経験。2007年、株式会社働きごこち研究所を設立。「ニュートラルメソッド」を基に、「働くって楽しい!」と感じられる働きごこちのよい組織づくりの支援を実践中。「今までにないクリエイティブなやり方」を提案する採用コンサルタントとしても活躍。現在の研究テーマは「人工知能の進化と働き方の変化」。グロービス経営大学院MBA(成績優秀修了者)。
2006年、27歳の時に東京を「卒業」。愛知県の田舎(西尾市幡豆町)で子育て中。家は海まで歩いて5分。職場までは1時間半。趣味はスタンディングアップパドル(SUP)。朝の海が大好き。

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