【事例】株式会社ウィル「成長期の採用を支える“ダイリク”」前編

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【前編】兵庫県宝塚市に本社を置く、株式会社ウィル。2015年12月24日には東証JASDAQから東証二部へ市場変更。今まさに成長期を迎えている同社の新卒採用の特長は、ダイレクトリクルーティングだった。

兵庫県宝塚市に本社を置く、株式会社ウィル(http://www.wills.co.jp/)。不動産事業、リフォーム・リノベーション事業、教育事業など様々な事業を展開している。1993年に創業、2015年12月24日には東証JASDAQから東証二部へ市場変更。今まさに成長期を迎えている同社の新卒採用の特長は、ダイレクトリクルーティングだ。

2015年卒採用から完全に就職ナビをやめ、現在ダイレクトリクルーティングだけで採用を行っており、現在三期目だ。しかも内定者は、京都大学、大阪大学などの旧帝大、国公立大を中心に上位校の学生が占める。学生からは不人気と言われる不動産業界。上場企業とはいえ、日本全国誰もが知っているような大手企業ではない同社が、大手企業もうらやむ優秀人材を獲得している。その理由に迫った。

 

写真 2015-12-18 11 13 10 (3)株式会ウィル
経営品質管理グループ 人材開発チーム

別所 久美子さん

 

 

新卒採用のために法人化。

― 新卒採用はいつからスタートされましたか?また、その経緯は?

1995年から新卒採用を始めました。1993年に創業したのですが「新卒採用をしよう」という話になり、リクルートさんに相談したところ、法人化してくださいと言われて。新卒採用をするために法人化したようなものですね。

創業したのがバブル崩壊直後。当時の社長であり創業者の岡本は、前職はディベロッパーにいて、大変な時代を経験しました。在庫物件の処分など泥をかぶるような仕事を、自分はもちろん部下にもさせなければならない。それなのに、経営陣は理不尽。「これでは、プライドを持って働けない」と退職し、起業しました。そのときについてきた部下と一緒に6名で創業したのがウィルです。

業界でいうと、私たちは不人気業界。本当は誇りのある素敵な仕事なのに…。理想の会社をつくるために、この業界のダーティーなイメージを変えたいという思いがありました。心を打つ仕事がしたい。真のプライドを持てる会社をつくりたい。そう思い創業しました。

不動産業界出身者で創業したので、ありがたいことにはじめから受注はありました。そこで人が必要、ということになり中途採用も行ったのですが、バブル崩壊後の不動産業界ということもあり、いい人は来ませんでした。そこで、岡本の独断で「新卒採用をやろう」ということになったんです。

― 創業すぐの新卒採用。受け入れ体制などの不安はなかったのでしょうか?

写真 2015-12-18 11 13 25 (2)周りのメンバーは大反対でした。育成できないし、その前にまず採用できるわけがない。お金もかかる。でも反対を押し切って始めて、2016年卒の新入社員で、なんと新卒21期目になります。

実は当時も、ある意味ダイレクトリクルーティングをやっていました。当時は個人情報保護法がなかったので、大学の名簿入手ができました。ターゲット校にDMを送ったりもしていました。そのDMのキャッチコピーに惹かれた人だけでいい。合う人に会えればそれでいい、という考え方でやっていました。ある意味、今やっていることは原点回帰に近いですね。

 

自社のバーカウンターで学生たちと語り合う。

― しばらく就職ナビを利用されたとのことでしたが、その後なぜダイレクトリクルーティングに原点回帰されたのでしょうか?

就職ナビは、リクナビ、マイナビ、多いときは日経ナビも使っていました。2013年卒採用から少しずつ、直接学生にお会いするダイレクトリクルーティングに近い形になっていきました。社内にバーがあるんですが、そこで「経営者と学生たちが語りあえる場をつくろう」というアイデアを実現させました。学生は創業者の話を聞くことができ、また学生のリアルな話を会長の岡本に聞いてもらうことができるという利点がありました。

この企画、もともとは「自分たちが持っている資産をフル活用しよう」というアイデアのひとつでした。せっかくバーがあるので、社員同士で飲むだけではなく、もっといろんな人を巻き込もうと思ったんです。あるきっかけで出会った学生から広がっていき、1ヶ月に1~2回の開催を2~3年くらいやりました。合計すると何十回も開催したことになりますね。

― 自社の資産を採用に活かそうというのは、面白い発想ですね。

リーマンショック直後は、採用経費をかけられない時期がありました。でも新卒採用は必要だからやらなければならない。ならば、あるものを使えばいいと。説明会も、もともとは大阪・梅田のホテル会場等で開催していたのですが、本社(兵庫県宝塚市)でやることになりました。小規模でもいいから何回もやろうということで、開催回数を増やしました。そういった中で資産活用のアイデアは生まれてきたのです。

 

退路を断たねば頭を使わない。就職ナビをやめた日。

― そういった施策から優秀層への独自アプローチもうまくいって、ダイレクトリクルーティングに完全移行されたのですね?

優秀層と言っても、学歴だけがすべてではないと思っています。勉強ができること=仕事ができるということではないと思います。とはいえ京都大生や大阪大生は何も考えなかったら、総合商社などお決まりの企業を就職先に決めてしまう。そうなると、当社とは出会いもしないで終わってしまうのです。

写真 2015-12-18 11 13 10 (2)ある日岡本が「就職ナビから来た学生と、直接声をかけて採用した学生は何か違うよね」と言い出したんです。確かに、就職ナビから採用した学生で早期に辞めてしまった人がいました。ダイレクトリクルーティングで出会った学生は“会社”への興味から始まったわけではなく、自分を理解してもらった上で「あなたに合っているよ」と言われて来た人ばかりですが、定着率も高かったんですよ。

当社は不人気業界ですし、中小企業です。そこに対する採用上のジレンマはずっとありました。「100万円与えられて、学校の正門前に立って何かしろと言われたら、何ができるのか?そういう風に考えないと、決して大手企業に勝てないよ」と岡本から言われていました。そんな中、元リクルートの人事でいらっしゃった曽和さん(現株式会社人材研究所 代表取締役)にコンサルティングをしていただくことになり、いろんなことを教わる中で、リクルートもかつてはダイレクトリクルーティングで採用をしてきたのだと知りました。

退路を断たないと頭を使わないので、「もう就職ナビはやめよう」と決断することになりました。景色ががらりと変わりました。今までは、毎年就職ナビのオープン日はお祭りのようで、当社のような規模の会社でも、毎年2,000人くらいのエントリーが一斉に入ってきていました。よってナビオープン後、採用担当者はかなりの忙しさでした。一人ひとりのエントリーにメールや電話によるアプローチを、思いを込めてやっていたのです。それが、就職ナビオープンの日に何もすることがなくて…。思わず「とりあえず、飲みに行く?」みたいな話になりました(笑)

【事例】株式会社ウィル「成長期の採用を支える“ダイリク”」後編 に続く

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