時代の変化から誕生したダイレクトリクルーティング ~中途から新卒へ~

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産業構造の変化、IT革命によってビジネスサイクルは年々短命化。日々新たなテクノロジーが生まれ、グローバルで戦う競争環境が進み、変化に順応する企業や人材が必要とされる時代がやってきた。

最近「ダイレクトリクルーティング」という言葉を聞いたことがある人が増えてきました。

⇒ ダイレクトリクルーティングとは

しかし、ダイレクトリクルーティングはどのような背景で生まれ、どう広がっているのかを知らない方が多いのではないかと思います。採用手法が生まれる背景には必ず時代の変化があります。その変化からダイレクトリクルーティングを振り返りたいと思います。

 

ビジネスサイクルの短命化によって人材の流動化が促進

産業構造の変化、IT革命によってビジネスサイクルは年々短命化しています。数十年前では会社は30年と言われていました。それが今では10年ほどになっています。その顕著な事例が「薄型テレビ市場」です。プラズマや液晶が世に出始めたのが約10年前。新たなビジネスとして花形であった市場が、ものの10年で海外市場撤退や事業撤退など一気に縮小してしまいました。日々新たなテクノロジーが生まれ、それがグローバルで戦う競争環境になった今では、10年のビジネスサイクルもさらに短命化し、変化に順応する企業や人材が必要となってくるでしょう。

図1 プロダクトライフサイクル

 

ビジネスのサイクルの加速化によりヒトの流動性が必要となった

花形市場ですら10年で激変する時代、必要なことは柔軟でスピーディな経営判断です。経営資源である「ヒト・モノ・カネ」も柔軟でスピーディに変化しなければならなくなりました。

特に「ヒト」の部分には大きな変化がありました。社内の花形事業で10年間活躍していた人材が活躍の場をなくしてしまう。また会社側も新たな市場に打って出るために、今まで社内にいなかった人材が必要となります。一社で一生働く“終身雇用”という文化は徐々に変化してきました。

 

10年間で大きく変化した採用手法

求職者には「新しい仕事がどの企業にあるのか?自分が求められている企業はどこなのか?」
企業においては「即戦力で活躍してくれる人材はどこにいるのか?」というニーズが誕生しました。

そこで、まず採用手法として成長したのが人材紹介です。キャリアカウンセラーやキャリアコンサルティングを通じて、互いのニーズにマッチした出会いを提供する。一気に市場は活性化し、数年で3225億円の市場となりました。

http://www.works-i.com/pdf/r_000148.pdf
リクルートワークス研究所:2015年4月20日

人材紹介市場の売上高推移1

さらにビジネスサイクルは加速化し、IT革命によるSNSの登場で、ダイレクトリクルーティングが誕生しました。

企業側からすると、人材紹介には下記3つの課題が存在します。

【1】 キャリアコンサルタントからの紹介を待つしかないため、攻めの採用ができない
【2】 求職者への初期コミュニケーションは人材紹介会社経由でしかできない
【3】 年収の約30%という採用コストの高騰

その課題を解決できる「攻め」「直接コミュニケーション」「低コスト」を実現したサービスこそが、ダイレクトリクルーティングです。海外でLinkedInが誕生し、瞬く間に欧米・アジアを席巻しました。国内ではビズリーチが求職者DBを開放するダイレクトリクルーティングを展開し、サービスを拡大しています。

 

新卒市場への参入が遅くなったのは?

ダイレクトリクルーティングは中途採用領域で誕生し急成長していますが、新卒市場では実現が難しいと言われていました。
その背景は2つです。

1.即戦力採用と育成枠採用という採用ニーズの違い

中途採用は主に即戦力採用。顕在化された人材不足の課題に対して人員を補充する。
新卒採用は育成枠採用。3年~5年後の戦力となる候補者を採用し、自社で育成する。潜在的な人材課題に対して、中期的な解決策として採用を実施していきます。

従来、既存安定事業に対して採用することが一般的でした。しかし近年の環境変化の速さから、新規事業の重要性が日に日に増しています。加えて急激な景気回復と採用ニーズの拡大により中途採用の難易度はますます上がり、潜在的な人材課題に対して新卒採用から対応する企業が増加しました。

図3 事業ポートフォリオマネジメント

2.ポテンシャルを可視化しづらい求職者のデータ

もうひとつの要因は「能力を可視化しづらい」という背景です。転職者はスキルや経験、前職での評価でもある年収などの明確な指標があります。中途採用ではその指標をもとに求職者を探し、企業側からアプローチします。しかし新卒採用では社会人経験がない学生であるため、明確な指標が存在しません。過去、指標として重視されていたのが「学歴」でした。こちらの指標も社内で活躍する絶対指標ではありません。それよりもどのようなことに取り組んだのかという「経験」やその「プロセス」を重視する企業が、年々増加しています。そのようなデータベースを保有し、求職者を可視化したサービスの誕生が遅れたことが2つ目の要因です。

2013年に入り、PCやスマホの発展、ブログやSNSの浸透により、学生側のITリテラシーが向上してきた結果、新卒市場にもダイレクトリクルーティングサービスが誕生しました。性別や学歴、語学力や資格・コンピュータ言語、志望業界や職種などの属性データに加え、普段の写真や動画・プレゼン資料、さらに過去どのようなことに取り組んできたのかという経験談を保有したプロフィールを公開し、学生が企業からスカウトされる“新卒向けダイレクトリクルーティングサービス”が誕生しました。

企業の利用ニーズは明確です。ビジネスサイクルの短命化によって加速化したビジネススピードに対応する為の新たな人材の採用。

・市場が導入期・成長期であれば、数年後に成長した市場で活躍できる人材の卵。
・成熟期に入っている市場であれば、新規事業にチャレンジする人材の卵。

共通するのが「待っていても会えない人材」が存在し、攻めの採用で獲得するというニーズです。

 

さらに進化する新卒採用ダイレクトリクルーティングサービス

学生ポテンシャルをさらに可視化するために、今後もサービスは進化していくでしょう。すぐに進化が予測されているのは、「行動特性(コンピテンシー)データ」です。現在でもかなり浸透している適性診断を利用した個人のコンピテンシーデータは、各企業の採用時の参考指標としては欠かせない存在になりつつあります。今後は「属性データ」「経験データ」に加え、「コンピテンシーデータ」をもとに将来のポテンシャル人材を可視化し、攻めの採用で人材を獲得していきます。

ビジネスサイクルの短命化という大きな外部環境の変化から、新卒採用戦略も大きく変化していく時代に入ったと言えます。

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